ゆりえ「たったら~、正義は愛と希望の人の思いやり~♪」
ゆりえ「うんうん、良い感じ。やっぱり正義のスーパーヒロインには主題歌が必要だよね」
ゆりえ「私は三田ゆりえ。16歳のどこにでもいる普通の女子校生。でも実は少しだけ普通じゃないんです。
三田ゆりえは正義のスーパーヒロイン、オーロラルビーだったりするんです(照
普段は正体を隠して生活してるけど、町にピンチが現れると頑張って解決したりしてるんですよ」
ゆりえ「たったら~、負けない正義のオーロラルビー♪」
ナレ「オーロラルビーは主題歌に憧れていた」
モブ少女「誰か助けてー」
ゆりえ「ハッ、女の子の助けを呼ぶ声。まさか悪の軍団が女の子を誘拐してるんじゃ」
ゆりえ「待っててね、いま正義のヒロインオーロラルビーが助けに行くから!」
モブ少女「どうしよう」
ゆりえ「どうしたの? 正義のヒロインオーロラルビーが助けにきたからもう安心よ」
モブ少女「自転車に乗っていたら、急に前に進まなくなっちゃったの」
ゆりえ「ま、まかせてオーロラルビーは何でも出来るんだから」
ナレ「オーロラルビーの特徴『自転車の外れたチェーンが直せる』」
ゆりえ「よしっと、はいこれで直ったから大丈夫」
モブ少女「わぁ本当だ。お姉ちゃん凄い」
ゆりえ「一度チェーンが外れると、また外れやすくなるから。その時はさっきみたいに直せばいいからね」
モブ少女「うん、次外れたときは自分で頑張ってみる!」
ゆりえ「それじゃねお譲ちゃん。チェーンが外れても人の道から外れたらダメよ」
ナレ「オーロラルビー良いことを言った風な雰囲気を出した」
モブ少女「ありがとう。コスプレのお姉ちゃん」
ナレ「オーロラルビーはコスプレ扱いされた」
ゆりえ「ふう、変身解除っと。ってもう、こんな町のハプニングじゃなくてちゃんとした活躍がしたいよ!」
ゆりえ「大体、正義のスーパーパワーを授かっても、この町ってあんまり事件起きないじゃん!」
ゆりえ「いや、いいんだけど。事件が起きないに越したことはないなけど!」
ナレ「オーロラルビーは、モラルと欲求の間で葛藤している」
ゆりえ「まあいいや、早くお母さんに頼まれたお使いを済ませようっと」
ゆりえ「愛と正義、マジカルパッションオーロラルビー参上! …うーん、ありきたりかな。語感は凄くいいんだけど」
ゆりえ「やっぱり今風ってなるとお洒落な感じを出したほうがいいのかもしれない」
ナレ「オーロラルビーは、登場時の決め台詞を模索中だった」
モブ男「おいおい、お前どこ見て歩いてんだよっ!」
ゆりえ「怖そうな男の怒鳴り声。これは事件、恐喝、犯罪、殺人! 私が行かないと!」
ゆりえ「よし、オーロラルビーに変身ね! 待っててね皆!」
ナレ「オーロラルビーは、編集点と撮れ高を意識していた」
モブ男「お前、どこに目をつけてんだ!」
モブ女「す、すみません」
モブ男「まったく、危うく車道に飛び出すところだったじゃねーか」
モブ女「すみません、スマホに通知が来ちゃってつい」
モブ男「気をつけろよ。歩きスマホは条例違反。立ち止まってから確認しな」
ゆりえ「…あれ? もう、私は出て行かないほうがいいよね」
ナレ「オーロラルビーの特徴『空気が読める』」
ゆりえ「ふふ、もう私の出番はないようね。この町の未来も明るいのかしら」
ナレ「オーロラルビーは格好良い感じに無理やりしめた」
ゆりえ「いつか、私が本当に必要ないときが来るのかもしれない。でもまだ…いいえ、なんでもないわ」
ナレ「オーロラルビー回収する予定のないフラグをとりあえず立てた」
ゆりえ「ああああああ、私さスーパーヒロインだよ。不思議なパワーとかあるんだよ! 悪の軍団とかいないの!」
ゆりえ「もっとこう町を破壊して、地球を支配しようとする輩どもだよ。現れなさいよ残虐非道な集団さんよ」
ナレ「オーロラルビーは荒んでいる」
ゆりえ「いけないいけない。早く買い物をしないとお母さんに怒られちゃう」
ゆりえ「あれ? パトカーの音?」
モブA「武装集団が銀行に人質をとって立てこもってるみたいだぜ」
モブB「マジかよ。だから警察が沢山いるのか」
ゆりえ「き、きたあああああ! いやあ待ってました残虐非道な事件。これこれ、やっと私の本当の活躍の場ね!」
ゆりえ「変身して駆けつけない。とりあえず正体ばれないようにあっちの茂みで変身しなきゃ」
ゆりえ「よし、このオーロラーストーンを掲げて」
ナレ「オーロラルビーは、一ヶ月前から変身ポーズを考えていた」
ゆりえ「愛と! 正義と! 聖なる光! オーロラ!」
ゆりえ「ピカーン、きら、きら、きららら。オーロラルビー!」
ナレ「オーロラルビーの特徴『効果音は自分』」
ゆりえ「よし、早く行かないと!」
強盗A「おらおら、俺は悪い強盗だ。前らは人質だ。警察には逃走用のヘリを要求したぜ」
強盗B「アニキ、ヘリを要求するのはいいんですけど。誰かヘリを運転できるやつっていましたっけ?」
強盗A「大丈夫だ! ゲームで何度か操縦したことがある」
強盗B「さすがアニキ!」
女の人「この人たちほって置いても自滅しちゃうんじゃ」
女の人「いやでも、まだこの銀行には人質が十人以上いるし怪我をさせないようにしないと」
女の人「人質は私一人でもいいでしょう? せめて子供やお年よりは開放してあげて」
強盗A「うるせーよ、人質の癖に口出しするな。人質は多いほうがいいだろう? それともお前が死んで人質の数を減らすか?」
女の人「…っ」
ゆりえ「待ちなさい! 人質には手を出させないわ!」
強盗A「だ、誰だ!」
ゆりえ「誰ですって? うふふ。うふふふふ。うふふふふ」
ナレ「オーロラールビーはこういうシチュエーションに憧れていた」
強盗A「気持ち悪い笑いしやがって、しかも変な格好で」
ゆりえ「愛と正義! 光の使者、オーロラr」噛む
ナレ「オーロラルビーの特徴『肝心なところで噛む』」
強盗B「オーロラル? 正義のヒロイン気取りかい? お譲ちゃん」
ゆりえ「そうオーロラルビー。正義のヒロイン。貴方達を倒して人質を助けにきたわ」
ナレ「オーロラルビーは強引に名前を訂正した」
強盗A「そもそもどこから入ってきやがった」
ゆりえ「そ、それは私のマジカルパワーを使っただけよ」
ナレ「オーロラルビーは裏口のドアを叩き壊していた」
強盗B「おっとっとお譲ちゃん。威勢がいいところ悪いがこいつが目に入らないのかい?」
女の人「オーロラルビーさん。この人たちは銃で武装しています。逃げてください!」
強盗A「そういうことだぜ。さてお前も人質の仲間入り。あるいは、ここで最初の被害者になるか」
ゆりえ「撃ってみればいいじゃない? そんな銃ごときじゃこのオーロラルビーにダメージを与えられないわよ」
強盗A「ほう、だったら試すしかねぇなっ!!」
女の人「きゃ」
ゆりえ「マジカルパワーの前には銃弾なんて、水鉄砲と同じよ」
強盗B「アイツ銃弾を素手で掴みやがった」
強盗A「だったら俺ら二人から一斉に撃たれたらどうなる? おい、コイツを殺せ」
強盗B「了解! くたばれ譲ちゃん」
ゆりえ「マジカルガード!」
ナレ「オーロラールビーはどうしても『マジカル』という単語を定着させたかった」
強盗A「コイツ、銃弾を受けても平気なつらしてやがる」
ゆりえ「オーロラガードは、まさにオーロラ。月のカーテンという別名のように光の壁が守ってくれる」
ナレ「オーロラルビーは、この日のためにウィキペディアでオーロラについて調べていた」
強盗A「くそう! 本当にマジカルパワーを持ってるみたいだな」
ゆりえ「そうよ! マジカルパワーよ!」(嬉しそう
強盗A「だったら、こうやってマジカルパワーを持たない一般人を撃つしかないな」
ゆりえ「なんてことをマジカルパワーを持たない人は、銃を撃たれたら大怪我をしてしまうじゃない」
ナレ「オーロラルビーは、『マジカル』という単語をさら定着させたかった」
強盗A「この女が殺されたくなければ、さっさとこの場から消えろ」
女の人「オーロラルビーさん。私はどうなってもいいから。この強盗たちを倒して」
強盗A「そんなことが出来るかな? 正義のヒロインさんよ」
ナレ「強盗もノリノリだった」
ゆりえ「な、なんて卑怯。でもそんな卑怯な人たちはこのオーロラルビーがお仕置きしてあげる」
強盗A「何をする気だ」
ゆりえ「オーロラルビーは、光の力で人々を守る力。くらえ、オーロラーエクスプロージョン」
ナレ「オーロラエクスプロージョンとは、ただの蹴りである」
強盗A「早い! ぐはぁ!」
強盗B「アニキ!」
女の人「すごい、強盗が銃を落とした」
ゆりえ「さあ、もう終わりよ。正義のスーパーヒロイン。オーラルビーは悪に決して負けないわ」
ナレ「オーロラルビーは、名前を覚えて貰いたい若手芸人のように必死だった」
ゆりえ「さて、悪い人たちにはお仕置きよ! 覚悟しなさい!」
強盗A「うわああああ」
ゆりえ「さて、あとは警察の仕事ね。それじゃあオーロラルビーは」
女の人「ありがとうオーロラルビー!」
少女「ありがとうコスプレの人!」
ナレ「オーロラルビーはコスプレの人になった」