アルト「はっ! たぁ! やっぱりこの当たりはモンスターが強いな。空からも! バルステッドさん、飛行モンスターをどうにかしてください!」
バルステッド「OK、空に轟く雷鳴よ! 怒りの刃となり貫け! アークドサンダー!」
アルト「バルステッドさんありがとう! これで、地上の敵に集中できる! くらえ! たぁ!」
オーフェン「チャンスだな! はぁぁ、恨むなら、俺と出会った運命を恨め! 奥義、曉・千巌爆斬(せんがんばくざん)」
アルト「オーフェン、ナイスだ! あとは、敵の親玉だけ! たぁ! …よし、倒した」
バルステッド「……」
オーフェン「……」
アルト「ど、どうしたんですか二人とも?」
バルステッド「アルト君、あれ言わないと」
アルト「あれ?」
オーフェン「ほら、俺らは待ってんだから早くしろよ」
アルト「えっと、何をですか?」
バルステッド「あれって言ってたらあれだよアルト君、勝利の決め台詞だよ」
アルト「き、決め台詞?」
オーフェン「そうそう、トドメを刺した奴が言うってのが、そっちの世界のルールなんだろ?」
アルト「いや知らないよ!」
オーフェン「何だよ、お前は日本って異国の地からやってきたんだろ? 前の英雄は、俺達に決め台詞って文化を広めていったんだ知らないわけないだろ」
アルト「ええ、先代の英雄が!?」
バルステッド「そうだな、いや決め台詞というものは素晴らしい。最初は照れもあったが、いざやってみるとこれがなかなか。やる気にも繋がるしな」
オーフェン「俺なんて、心無し技の威力も上がった気がするからな」
アルト「絶対に気のせいだって」
バルステッド「とにかく、先代の英雄が広めていった文化を蔑ろにするわけにいかない。集団としての士気も高まるし、やらない理由はないだろ?」
アルト「ぼ、僕はいいですよ。きゃ…キャラじゃないし。別に二人がやるなら止めないよ」
オーフェン「バカか、それじゃ士気が落ちるだろ! それにイベント戦闘の勝利の時はどうするんだ、イベント戦闘は全員が台詞を言うのが日本のルールだって先代の英雄が言っていたぜ」
アルト「…先代の英雄め余計な事を。っていうか、イベント戦闘ってなんですか!?」
オーフェン「俺もよくわからんが、重要な敵を倒す戦いをイベント戦って言うらしい」
バルステッド「恐らく日本の言葉で重要なっていみなんだろうな。気が引きしまる」
アルト「と、とにかく。僕はキャラじゃないからやらないですから!」
バルステッド「けど一度試して見るのがいいかもしれないな? 私も最初は抵抗があったかけどすぐに慣れた」
オーフェン「そうだな北の山にいくまでには、アルトの勝利決め台詞を決めておきたいところだな…ん?」
バルステッド「…どうやら敵のようだな」
アルト「よし」
バルステッド「まったく、次から次へとキリがないな」
オーフェン「こんな奴ら、退屈凌ぎにもならねえな」
バルステッド「……」
オーフェン「……」
アルト「え? なになに? まさか…」
バルステッド「折角だし戦闘前の台詞を慣れていこうと思ったからな。アルト君待ちだ」
オーフェン「そうだな、まずは慣れだな」
アルト「だからいいって、ほらモンスターが来るよ」
バルステッド「なーんかやる気にならないなぁ」
オーフェン「俺も俺も、リーダーがこんなんじゃな」
アルト「わかった、わかったやるよ!」
アルト「て、敵がきた頑張るぞ」
バルステッド「もっと格好よくハキハキと」
アルト「敵がきたー! 頑張るぞー!」
オーフェン「台詞のテンポが悪い、もう一回!」
アルト「敵がきた、頑張るぞっ!!」
オーフェン「おおー」
バルステッド「まずまずってところだな」
アルト「早く戦ってよ!?」
バルステッド「はぁ! たぁ! くらえ魔翔弾!」(コンボっぽく)
オーフェン「はっ! どりゃ! 巌刹斬!(がんせつざん)」(コンボっぽく)
アルト「たぁ、やぁ」
バルステッド「そろそろ終わりにするか」(必殺技のカットイン)
アルト「なんか、演出入ったけどなにこれ」
アルト「何言ってるんですか!?」
バルステッド「そろそろ終わりにするか。はぁぁぁぁ、主は望む、渇望せしは業火の柱。主は願う、それは剪定(せんてい)の滅び。グランドブラスター!!」
アルト「あれ、別に炎の魔法じゃないよね!?」
バルステッド「…ふぅ。全く服が汚れちまった」(勝利台詞)
オーフェン「くそう、トドメを取られちまったか。俺も新しい勝利台詞を試したかったのにな」
アルト「皆なんなの、どうしたの!?」
バルステッド「おや、また大魔導の叡智(えいち)に近づけたみたいだ」
アルト「今度は急にどうしたの」
オーフェン「レベルが上がったみたいだな」
アルト「レベルぅぅぅぅ!?」
オーフェン「まったく、お前は日本人なのに何も知らないんだな」
アルト「いや、わかるけど、わかるけどさ」
バルステッド「アルト君。そんなんじゃ、北の山の魔氷のゴーレムを倒せないかもしれないぞ」
オーフェン「これは、北の山につくまで勝利台詞の特訓だな」
バルステッド「ついでに、戦闘前とレベルアップも習得しておいてくれよ」
アルト「僕はそんなキャラじゃないんだー!!?」
バルステッド「そして、一ヶ月後」
オーフェン「く、こいつかてぇな。巌刹斬がびくともしないぞ!」
バルステッド「アルト君、そっちに行ったぞ!」
アルト「任せて! たぁ! やぁ! いくぞ、はぁぁぁぁ! この技なきっといける。アルト流戦技セカンド! 覇王爆滅昇(はおうばくめっしょう) 」
オーフェン「さすがアルト、魔氷のゴーレムを倒しやがった」
アルト「僕達は、こんなところで立ち止まるわけにはいかない」
バルステッド「ちゃんと勝利台詞も言ってるな、特訓のかいがあったな」
アルト「また少し、皆を守れる力がついたかもしれない」(レベルアップ)
語りオーフェン
そして一年後。アルト達の活躍により、魔王は討伐され世界に平和が訪れた。役目を果たしたアルトは元の世界へと帰り。普通の高校生に戻った。
友人1(バルステッド役の人がやる)
「最近買った英雄ファンタジアめっちゃ、面白いよな」
友人2(オーフェン役の人がやる)
「戦闘中めっちゃ喋るし。たださ、マジの戦闘の時は技名とかやってらんないだろうな」
友人1
「確かに、意味ないしな」
友人2
「ゲームの演出かな、ちょっとリアリティ薄いけど。なぁアルトはどう思う?」
アルト
「そりゃ士気があがるから言うだろ普通」